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帯域制御装置の準備


1. 「KNOPPIX」のCD/DVD作成

    KNOPPIXのサイト「http://www.knoppix.org/」 から「KNOPPIX英語版」をダウンロードしてCDまたはDVDに焼いてください。

    ちなみにこの手順は「KNOPPIX7.7.1日本語版」を用いて作成しております。おそらくこれより新しいバージョンでも互換はあると思いますが、十分テストしてご利用ください。

    KNOPPIXを起動できるUSBフラッシュメモリを作成するCD「USB-KNOPPIX-MK」--->[販売中]や、[各種日本語版KNOPPIX]もありますのでご活用ください。


2. NICが2つあるパソコン(帯域制御PC)の準備

    ネットワークカードが2枚付いているパソコン(以下帯域制御PCといいます)を用意します。

    この以下帯域制御PCがネットワークスイッチのような動作をして、中継するパケットを制御し、帯域制御装置として働きます。

3. BIOSの設定

帯域制御PCがCD/DVDから起動できるようBIOSの設定を行います。
  • PCの電源を入れ「Delete」や「F1」等を押してBIOSを起動してください。
  • ※ BIOSの起動についてはPCのマニュアルを見ましょう。マニュアルがない場合はPC電源ON直後に出るメッセージで判断してください。

  • 起動順序はHDDよりCD-ROMが優先になるように以下の例のように設定してください

  • ※ 設定後はSAVEを忘れずに

4. KNOPPIXの起動

帯域制御PCを、KNOPPIXで起動します。
  • 帯域制御PCのCD/DVDドライブにKNOPPIXを入れ、電源を入れて起動してください。
  • 以下の画面が表示されますので、[ENTER]キーを入力してください。



  • 以下のとおり表示されたらKNOPPIXの起動は完了です。


5. ブリッジユーティリティのインストール

ブリッジユーティリティをインストールしますので、帯域制御PCのどちらか一方のNICにインターネットへ出れるブロードバンドルータを接続します。
  • ここから、ターミナルで作業を行いますので、以下のターミナルアイコンをクリックしてください。

  • 以下の通りターミナルが起動します。
    knoppix@Microknoppix:~$
    

    次に、以下のコマンドで「root」ユーザに変更します。
    knoppix@Microknoppix;~$ su - [ENTER]
    root@Microknoppix;~#
    

  • 以下のコマンドで、bridge-utilsをインストールします。
  • root@Microknoppix;~# apt-get install bridge-utils[ENTER]
    

6. ブリッジの作成

最後に2ポートのネットワークスイッチのような動作になるように、2つのNICでブリッジを作ってパケットを通過させるよう構成します。
  • 以下のコマンドで、ブリッジを作成します。
  • root@Microknoppix;~# brctl addbr br0[ENTER]
    root@Microknoppix;~# brctl addif br0 eth0 eth1[ENTER]
    
    ブリッジの作成や操作はこのように brctl コマンドで実施できます。brctl addbr でブリッジ を作成し、brctl addif でブリッジにインタフェースを追加します。ここでは、br0 という名前で新しくブリッジを作成し、そこに eth0 と eth1 を追加しています。
    通常2つのNICが搭載されたパソコンをKNOPPIXで起動すると、NICのインターフェイス名は認識された順番で eth0 と eth1 でデバイス名が割り当てられますが、そうでない場合は「ifconfig」コマンドであらかじめNICのデバイス名を確認しておいてください。

    ブリッジが作成できているかどうかは以下のコマンド brctl show で確認できます。
    root@Microknoppix;~# brctl show[ENTER]
    bridge name     bridge id               STP enabled     interfaces
    br0             8000.2995db293486       no              eth0
                                                            eth1
    
    ip コマンドでインタフェースとブリッジを起動させます。
    root@Microknoppix;~# ip link set eth0 up[ENTER]
    root@Microknoppix;~# ip link set eth1 up[ENTER]
    root@Microknoppix;~# ip link set br0 up[ENTER]
    


7. 帯域制御PCの接続

    準備できた帯域制御PCを、トラフィックを制御したい装置間にはさみ込みます。

    帯域制御PCはネットワークスイッチのようにレイヤ2で動作しますので、各装置のネットワークのIPアドレスの設定等変更する必要はありません。



以上で準備は完了です。